中津の、入り組んだ路地の奥。木枠のガラス戸が、やわらかい光を映している。
一見すると、中国料理のお店には見えない。カフェか、雑貨屋さんのような佇まい。その意外さに、まず心をつかまれた。
戸を開けると、L字のカウンター。シェフがひとりで、静かに切り盛りしている。目の前で、火が上がり、湯気が立ちのぼる。鍋を返す手つき、刻む音、盛りつける指先。その所作のひとつひとつを、すぐそばで見ていられる。
このお店は、夜6時半に全員が一斉にスタートする。メニューは、おまかせのコースがひとつだけ。その日集まった人たちと、同じ料理を、同じ時間にいただく。まるで、誰かの家に招かれたような心地よさがある。
中華のフルコースは、大人数でないとなかなか味わえない。二人だと頼みづらく、品数も楽しめない。長いあいだ感じていたその悩みを、このお店はあっさり解いてくれた。二人でも、コースをゆっくり堪能できる。
おまかせのコースには、季節がそっと映り込む。訪れたのは、六月。お皿に、鱧が登場した。中国料理でありながら、日本の旬を大切にしている。
心に残っているのは北京ダック。お肉そのものを味わう一皿と、もちもちのクレープで包む一皿。ひとつの素材を、二つの表情で楽しませてくれる。手の込んだ仕事に、ただただ感激してしまった。
この日は、夫と二人で訪れた。
私はお酒を飲まない。けれど、紹興酒に添えられた干し梅が、目にとまった。梅干しではなく、甘酸っぱい干し梅。ひとくちかじっては、ひとくち。隣は、ずいぶんご機嫌だった。

よほど気に入ったらしい。後日は、会社の同僚と、もう一度訪れたそうだ。
また、必ず行きたい。今度は誰を誘おうか、もう考えている。
基本情報
中国料理 mine(ミネ)
住所:大阪市北区中津3-13-14
最寄り駅:阪急 中津駅 徒歩約3分
完全予約制(ご予約はInstagramのDMから)
Instagram:中国料理 mine


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